【コラム】法人化へ


最近、アパートやマンションなどの不動産経営で副収入を得ているサラリーマンの方がたくさんいらしゃいます。

最初は分譲マンションの一室を購入して家賃収入を得るところから始まり、
数室や一棟と規模を拡大していくケースも少なくありません。

そうして収入が増えていくうちに必ず直面するのが、「法人化」の問題だと思います。

昔から「家賃収入がいくら以上なら法人化したほうが良い」ですとか、
「何室以上なら法人化するべき」などといった話がよく取り上げられていますが、
実際そのタイミングは人それぞれです。

この記事では、そんな意外と悩みやすい
「不動産投資家が法人化するタイミングのポイント」について解説していきます。



【法人化するメリットとは?】

不動産投資をするサラリーマンの方が、副業や事業で収入が増えると、よく「法人化」を検討します。

これは法人化することで、「支払う税金を減らせる」というメリットがあるからです。

具体的には、同じ所得金額に対して個人で支払う「所得税」よりも、
法人化して支払う「法人税」の方が税率が低くなっているため、
「法人化すること」=「節税」になるという考えがあるからです。



■個人で納める所得税

 個人が通常支払う所得税は、累進課税によって、
 所得が高ければ高いほど税率が高くなる仕組みになっています。
 そして現在でも税制改正によって、税率は上昇傾向にあります。

 「お金持ちからは高い税金を徴収する」のが税金の原則的な考えだからですね。

 以前は、年間の所得金額1,800万円を超える場合に課される税率40%が最高税率でした。

 ですが2015年の改正により、所得金額が900万円を超える場合は約33%、
 4,000万円を超えると約45%といったふうに税率が膨れ上がっています。


■法人で納める法人税

 一方で個人で納める所得税と比べて、法人が納める法人税は、
 法改正によって税率が軽減傾向にあります。

 2008年には30%だった基本税率は、
 2012年には25.5%、2016年には23.4%に引き下げられました。
 これにより、法人住民税や事業税などを含めた法人実効税率は30%を切る時代になりました。

 さらに所得金額800万円以下の中小法人の場合は、15%の軽減税率が適用されます。

 法人税の税率は所得金額によって累進しないため、資本金1億円を超える大規模な法人を除いては、
 法人化したほうが節税効果が高いといえる状況なのです。




【年間の総所得金額が900万円を超える場合は法人化のタイミング】

不動産投資をする方の法人化タイミングは人によってそれぞれです。
現在の仕事との兼ね合いや家族との関係など、
投資だけではない要素も含めて考えるケースが多いためです。

ですが法人化メリットの観点から考えれば、
「所得金額900万円を超えた場合に法人化する」というのが、法人化タイミングの一つの目安になります。

個人よりも法人化したほうが節税効果が高いと言い切れる分岐点が、所得金額900万円からになるためです。


個人の場合、所得税と住民税を合算した税率は、



・695万円超から900万円以下…33%

・900万円超から1,800万円以下…43%



です。

一方、法人の場合の所得税と住民税を合算した税率は



・400万円超から800万円以下…約25%

・800万円超…約38%



となっています。

つまり所得金額が900万円を超えた場合、
個人だと所得税率が高くなるだけではなく、住民税も税率が高くなってしまいます。


注意が必要なのは、「年間の総所得金額が900万円」という点です。

サラリーマンで不動産投資をしている場合は、給与所得額がもともとありますので、
その金額も加味したうえで900万を超えるかどうかを判断しなくてはなりません。

まとめますと、



・法人化のタイミングは所得金額900万円を目安とする

・所得金額とは、給与所得など不動産所得以外の所得がある場合はこれを加えて考える



所得金額が900万円を超えない場合は個人のままで、
給与所得などを加えると900万円を超える可能性が高い場合は、あらかじめ法人化することを検討しておくとよいです。



この記事では、不動産投資家の方が法人化するタイミングのポイントについてご紹介しました。

個人の場合と法人化した場合の所得税と住民税の合計税率を考慮すると、
所得金額900万円を超えるか否かが法人化の目安となります。

ただし中小法人の場合は単純に900万円を目安とするのではなく、
所得金額800万円以下の軽減税率も考慮すると、
900万円に満たなくても法人化したほうが節税効果が高い場合もあります。

収支のバランスと不動産投資の規模をふまえて、現状のまま個人がよいのか、
法人化すればどれくらいの節税効果があるのかをシミュレーションすることが大切ですね。


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