【コラム】これから不動産投資を始めたい…まずはここから学ぼう

世の中には、多種多様、ありとあらゆる「不動産投資」の情報があふれている。書店には不動産投資の書籍がずらりと並び、インターネットで検索すれば、不動産投資や賃貸経営に関するさまざまなサイトが一覧に表示される。

不動産投資家や大家になるのであれば、こうしたサイトや書籍を参考にして、きちんとした知識をつけなければならない。「知識がなくても、だれでもオーナーになれる」や「月1万円でマンションを持てる」などのセールストークで勧誘を受けて物件を買ったものの、ふたを開けてみれば入居がつかなかったり、思うように家賃がとれなかったりして赤字に泣き、人生が狂ってしまうような人も少なくないからだ。

彼らは、なぜそんな目にあってしまったのだろうか。どのようなことを学べば、失敗を防げるのだろうか。

今回は、初心者の方に向けて、「物件購入まで」のステップをまとめた。ぜひ一度目を通していただきたい。

「シミュレーション」が必要なワケ

まず、不動産投資家であるならば必ず行いたいのが「シミュレーション」だ。この物件を購入した場合、年間でどのくらいの支出があるのか? 税金はどのくらい払うのか? それを差し引いたら、実際どのくらい儲けが出るのか? など、確認することは多岐にわたる。

初心者がこのシミュレーションをおろそかにしてしまうと、「見かけの数字だけは良いが、本当は手残りのない物件」などを掴まされる羽目になってしまう。

シミュレーションをする際には、「表面利回り」だけを参考にしてはならない。仲介手数料や保険料といった物件価格の7~10%かかる購入時諸経費のほか、空室リスク、家賃下落リスク、大規模修繕費、固定資産税など、さまざまな指標を考慮に入れよう。

物件資料を読み解けば、隠されたリスクがわかる

不動産会社に問い合わせを行うことで、物件の詳細が記載されたさまざまな物件資料を手に入れることができる。

この物件資料、実は細かく読み解くことで購入前に隠されたリスクを判断することができるのだ。

例えば物件概要書。物件の価格や利回りといった基本情報から、法令上の制限までさまざま記載があるが、「道路」欄に書かれた幅員からは再建築の際にセットバックが必要になるかどうかがわかるし、見逃しがちな「備考」欄からも、多額の造り直し費用がかかる可能性もある、擁壁の有無などを読み取ることができる。

改めて、どのように資料を読んでいけば良いのかをひとつひとつ確認していきたい。

物件見学では何を見れば良い?

もし物件の購入を真剣に検討するとなった場合、物件の見学に訪れることだろう。しかし、ここで漫然と物件を見ても役には立たない。物件を見学する際には、多様なポイントがあるのだ。

例えば室内では、建具の建て付けに問題がないか、クロスの破れ、裂けがないか、という点。これは建物が傾いていないかを確認する重要な指標になる。

建物が傾いていれば、入居者の健康被害につながったり、災害で倒壊したりした際、オーナーの責任が問われることになるかもしれない。

また、外観を見る際にはクラックの有無を確認するほか、「境界標がない」「雨染みがある」などはのちのち大きなトラブルを招く可能性が高いため、欠かさずに見たほうが良いだろう。

購入後に修繕が可能な場合もあるが、その時は想定外の出費が発生してしまう。購入前に「自分が手をだして良い物件か」を知っておくに越したことはないだろう。

スルガ銀行の不正融資問題以降、新規のサラリーマン投資家への融資は非常に厳しくなっている。

少し前までは、「フルローン」を出す金融機関も多かったが、現在は基本的に「頭金(自己資金)2~3割」は当然求められるものとして準備をしておきたいところ。それでも、「新規で不動産投資を始めるサラリーマンには融資を出さない」という金融機関は少なくない。

最初は現金で小さな物件を購入するところから始め、実績を積んだ上で、融資姿勢が緩和された時に一棟物件に挑戦するというのも戦略の1つだろう。

順番が前後してしまったが、物件の問い合わせ時には、融資を自分がどのくらい受けられるのかを把握しておく方が良い。不動産会社に自身が「買える」属性であることが伝わるし、また、そもそもその物件を自分が買って問題がないかということもわかる。



「不動産投資は、自己責任」。この業界ではよく言われる言葉だが、購入も、その試算も、自分の責任において行わなくてはならない。

冒頭で述べたようにノウハウを書いたサイトも書籍も世にはあふれているが、そのすべてが正解とも限らない。自身には合っていない手法だったり、製作者の利益にかなうように誘導目的で書かれたりといったものもあるからだ。

結局のところ、自分自身がありとあらゆる情報を把握した上で、すべての判断・決断をしなくてはいけないのが不動産投資なのだ。

当然、不動産投資は物件を買って終わりではない。今回は物件購入までに着目して記事を紹介したが、賃貸経営に手を出したのであれば、管理会社や仲介会社といったパートナーがいるとは言え、物件の維持、管理もオーナーである投資家自身の責任の下でなされるべきだ。

不動産投資という名でも、オーナーは「事業者」だ。その自覚をきちんと持った上で、不動産投資家としてのデビューを果たしたい。



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