【コラム】瑕疵担保免責物件について

不動産売買の現場で使われる「瑕疵担保免責」という言葉。築古物件に興味がある人は、物件資料や売買契約書で頻繁に目にしているかもしれない。

不動産売買における売主の「瑕疵担保責任」とは、物件にシロアリ被害、雨漏り、給排水管の故障、また構造上の欠陥など隠れた瑕疵が見つかった場合、売主が買主に対して負う責任のこと。瑕疵担保責任については民法570条に規定されている(ただし2020年施行の改正民法では、『隠れた瑕疵』は『契約の内容に適合しないこと』という表現に置き換えられる)。

築古の売り物件では、この「瑕疵担保」を免責することが条件となっているケースがしばしば見られるが、こうした物件についてどう考えるのが良いのだろうか?

瑕疵担保免責物件を「買ってもよい」と答える投資家の意見としては、安価な築古物件の宿命だとして受け入れる、また瑕疵担保免責であることを指値の条件とする、修繕ができれば問題ない、といった意見がある。

瑕疵担保免責物件は「買わない」と答える投資家の意見は、目に見えない瑕疵を事前に見抜くことが難しいという点。特に、どのくらい深刻な瑕疵であるのか、その「程度」を把握することは困難であることから、物件に万が一のことがあった場合、どれほどの費用負担となるのかが分からないことを懸念する意見もある。

実際に瑕疵担保免責で物件を購入し、その後にトラブルに遭遇したという人の事例は

購入直後に空室が出て漏水が発覚した

壁面から雨水が浸入するトラブルが2度もあった。

購入後の修繕費が高く付いた

などがある。

売主が瑕疵を隠していたかどうかは不明だが、購入後に発覚するトラブルとしてはやはり雨漏りや漏水に関するものが多いようだ。雨漏りは晴天時には発覚しづらいが、修繕履歴のほか、物件見学の際には屋上防水や外壁塗装の状態、空室があれば室内の天井に雨染みがないかどうかなどを入念に確認したい。

最後に、瑕疵担保免責で物件を売却したことがあるという人にその理由を聞いてみた。回答の一部は

築古の区分物件を売却。築古のうえ、買主が業者だったので

売却後の面倒事に巻き込まれたくないから

特に問題のある物件ではなかったが、リスク回避のため

自分が購入したときも瑕疵担保免責だったので、当然だと思っている

自分も中古で購入していること、また築古なので自分でも把握しきれていない瑕疵があるかもしれないと思ったため

築30年のRC1棟を売却。設備の老朽化が懸念されたことと、買主が非常に細かい性格だったので面倒を避けたかった

などがある。

売却後の面倒を避けたいといった回答が多く見られたが、「買わない派」の意見と同様、売主にとってもどのような瑕疵が潜んでいるかわからないため責任を負えない、という理由を上げる人もいた。

雨漏りやシロアリなど、目に見えない瑕疵は判別しづらい。自己責任と言ってしまえばそれまでだが、特に不動産投資初心者が備えなしにこうした物件に手を出すのは危険だろう。満室でのオーナーチェンジで内見ができない場合や、買付多数の際に急いで交渉を進めるような場合もあろうが、実際に購入後にトラブルが起きうるということを忘れてはいけない。

ただ瑕疵担保責任付の売買でも、売主が個人の場合、その責任を負う期間は引渡しから3ヶ月間が一般的だ。

この3ヶ月を安心と捉えるかどうかは個人差がある。賃貸中のオーナーチェンジを購入する場合、購入後に室内を確認する機会もないまま3ヶ月が経過するケースもよくある。

であれば、瑕疵担保免責を指値の条件として購入するのも有りと言える。

瑕疵担保責任の有無に限らず、やはり物件購入の際は総合的な判断と、売主や仲介業者など誰から買うか?が重要だと言えそうだ。



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