【コラム】カジノIR誘致における不動産市場活性化の動向

横浜市が8月下旬、IRを誘致する意向を表明した。

カジノに加え、ホテルやショップなども含めた一大リゾートが建設されることで、

経済活性の起爆剤としての期待が高まっている。

国家戦略を基に開発が進められるプロジェクトは、不動産マーケットに好影響を及ぼすのか。



日本にカジノが生まれる理由。それは「外国人を呼び込むためには、カジノが必要であるから」と考えられる。

かつて東京は香港と並ぶアジア経済の中心地で、国際企業のアジア支社の多くが集まっていたが、

その地位を奪ったのがシンガポールだ。

シンガポールは、税制の優遇や英語が公用語など、欧米の企業にとって好ましい条件がそろっている。

加えて、「カジノ」があることも大きい。

しかしカジノは昔からあるものではなく、つい最近生まれたもの。IRが出来て、まだ10年も経っていないのだ。

シンガポールでカジノが解禁されたのは、「経済の活性化」のためでカジノがあれば、

外国企業のシンガポール進出に弾みがつき、それが自国の経済を活性化させる。



今、日本がIRをつくろうとしているのは、少子化による人口減少に直面する日本が

それでも生き残っていこうとする「戦いの一手」でもある。

少子化による人口減少は、もはや止めることができない。

人口が減少すれば消費が減り、日本国内の経済活動は縮小せざるをえない。

その状況に歯止めをかけるのが「外国人」だ。



今、政府と東京都は外国人の滞在者を増やしていこうと考えている。

その第一弾として、外国人観光客を増やしこれは成功した。

次に外国企業・研究所の誘致を打ち出し、東京23区内に外国企業が支社を出しやすいようにしている。

多くの外国企業を誘致するためには、オフィスビルをさらに増やす必要があるし外国人のための住居も必要で、

新たなオフィスビルや賃貸マンション、ホテルなどの建設が進んでいるが現在の都心のオフィス事情では足りない。



そうなったとき、横浜市は手を広げるだろう。

日本人の人口が減っている中、外国人が増えている場所は景気がよくなるからだ。

また横浜市内に巨大なIRがあれば、大きなセールスポイントになる。

外国企業は、横浜にオフィスと社宅となるマンションを確保しようとし外国人が集まる場所こそが、

これからの成長エリアになる。

IRができれば、周辺の不動産市況が幅広く活性化するはずだ。

そのように考えると、神戸が手を挙げているのも、同じ臭いがする。



前例はすでにある。

今年3月の地価公示で、北海道・ニセコスキー場の周辺地価が大きく上昇したと報道された。

ニセコには外国人旅行者が大勢押し寄せ、外国資本の土地取得も進んでいるため地価上昇が続いている。



IRはカジノだけでなく、統合型リゾートとしてショッピング施設やシアターなども建設され、新たな雇用を生じさる。

その周辺には、不動産投資のビジネスチャンスが、それこそゴロゴロ転がっている。

実際に、シンガポールのIR周辺エリアでは地価の上昇が報告されている。

人が集まり、活気が増す場所は、地価も上がる。逆に、人が減り、活気が衰える場所は地価も下がる。

それは、当然の動きなのである。



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