【コラム】賃貸ニーズの需要は「広さ」より「近さ」へ

あらゆる物件種別の内、不動産市場の先行的指標の1つとして「 東京都心部の中古マンション価格 」があります。
都心部とは「 中央・千代田・港区 」の3区、「 新宿・渋谷区 」を加えて5区、「 目黒・品川区 」を加えて7区程度と覚えておけば良いでしょう。

こうした地区の中古マンション成約単価は、見事に日経平均株価と連動しています。その理由として、一つはもちろん「 景気は気から 」というように「 気分 」の問題。

次に、都心マンションは相対的に高額で、購入層は高学歴・高収入の傾向にあり、株式投資をしている比率が高いと予想され経済動向に敏感であると思われることなどです。

都心部マンションから始まる不動産価格の動きは、皇居を中心として城南地区から世田谷・杉並区などの城西地区へ波及、そして城北・城東地区へ及びます。

日本全体で考えるとまず東京に動きがあり、次に神奈川・埼玉・千葉という順番です。札幌・名古屋・大阪・福岡など地方都市には早くて半年程度で影響が及びます。

しかし、この波及効果は次第に弱まっており、昨年度東京銀座4丁目の地価公示価格が5,550万円とバブル期をはるかに上回る地価水準であったにも拘らず、大阪は伸び率こそ高かったものの1,580万円と、かつての水準には遠く及ばず、いかに東京一極集中で不動産価格が高いか、そしてその波及効果が地方都市に行きつくころにはいかに小さい波となっているか分かります。

実はこうした現象は東京都心部でも起きています。例えば先述した都心7区の中古マンション価格において、駅から1分離れるとその成約単価は平米あたり約8,000円ずつ下落するといった状況でしたが、昨年は、駅から1分離れると平米あたり1万8,000円ずつの下落を示しています。

いかに「 駅からの距離 」が求められているかが分かります。都心部では駅近ではあるものの専有面積わずか9平米といった賃貸住宅が人気だったりします。

最近の単身者は、車はもちろんテレビを持たず、家に人を招くわけでもなく料理もしないといった向きが増加、駅から遠い20平米より、駅近の9平米を選ぶようになってきています。

増加の一途をたどる共働き世帯も、通勤や買い物などの利便性を優先し駅からの距離にこだわり「 空間 」や「 居住快適性 」よりも「 時間 」に高い優先順位が求めています。

不動産価格水準に話を戻しましょう。そもそも、日本の不動産価格の先端である東京の不動産価格は世界的に見れば、日本の地方都市のような位置づけです。

世界の主要都市の不動産市場にまず変調が起き、それがやがて東京に波及するといった流れです。つまり主要各国の不動産市場を見ていれば、日本や東京の不動産市場の未来はある程度予測が可能ですので19年以降の市場動向も注視していきましょう。



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